当地域(肝属郡錦江町・南大隅町)は鹿児島県内で高齢化率が1位(南大隅町 49.3%)、2位(錦江町 46.5%:※2020年度国勢調査より)を占める地域であり、人口減少及び過疎化が進んでおります。
また地理的に恵まれない高齢過疎の進行する地域であり、医療資源の絶対的不足等により地域医療の崩壊が危惧される一方で、医療及び介護を必要とする割合は高い状況にあります。
対象地域の面積も広く、管内での救急要請から当院への搬送時間は平均34分、南大隅町佐多分署管内からは約60分要します。
在宅医療従事者の人材不足も懸念されており、南大隅町佐多地区には1名の常勤医師しかおらず、地域内には救急告示病院は当院のみであり、勤務医の負担も課題となっております。
このような課題がある中、平成24年度より在宅医療連携拠点事業を活用し、皆様方が安心して住み慣れた地域で生活できる体制作りを強化・推進する為、本事業を展開しております。また本事業につきましては、当地域の医療機関、歯科医院、調剤薬局、介護保険サービス事業所、行政機関(錦江町役場、南大隅町役場、大隅地域振興局)と連絡協議会の場を設け、連携上の課題や解決策について協議する機会を作り、より良い関係が構築出来るよう取り組んでおります。
今後も皆様方のご協力の程宜しくお願い致します。
肝属郡医師会立病院
院長 西田 卓爾