肝属郡医師会立病院

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平成28年熊本地震 JMAT隊 災害医療支援活動報告

2016.06.17

熊本地震肝属郡医師会立病院JMAT隊 災害医療支援活動報告

 

活動期間:2016年4月27日(水)~29日(金)

メンバー 医師:西田 卓爾(管理担当副院長 外科)

看護師:久保 佳子(透析室師長)

看護師:寺師 明美(4階病棟看護師災害支援ナース)

事務調整員:坂上 陽一(地域医療室MSW)

 

主な活動地:熊本市西区

 

鹿児島県医師会より要請を受け、今回4名の職員が災害医療支援活動に参加した。事前準備では災害医療支援の医薬品、物資を車両に積み込み、当日を迎え、出発日の朝はあいにくの雨であったが、九州自動車道を活用し御船インターをおり本部である熊本市西区役所に向かった。

 

【1日目支援活動】

14時よりJMAT隊災害拠点支部である熊本西区役所において、前任JMAT隊(南風病院チーム)からの引き継ぎを受け、早速避難所である古庄民館(昼21名、夜32名避難)に向かった。公園内にある公民館にて、21名避難生活をされており、巡回時はほぼ全員横になっていたが、巡回診療の旨を説明し、血圧測定を始め。1名統合失調症(男性)にて治療中の方がおり、付き添いの母親より「集団生活で落ち着きがない。時々大声を出したり、公園内を走り回ったりする。他の方々にも迷惑をかけている」との主訴があり、看護師より20分間マッサージ(副交感神経)を行ったところ気持ちも落ち着かれ、横になられた。本避難所による活動を終え、城西小学校避難所(昼60名、夜50名避難)へ移動、訪問時に熊本市役所職員が常駐されており、傷病者等の情報はなく、その後体育館内にいる避難者を巡回したが傷病者はいなかった。本日より段ボールによるパーテーションが設置され、避難者からは安堵の声も上がっており、ライフラインは飲料水、電気は復旧、トイレ衛生状態も良好であり、比較的状況は安定していた。避難者の診察、エコノミークラス症候群のチェック等を行い、2ヵ所の避難所による活動を終え、熊本市西区本部へ移動し、巡回について報告した。本部より他の避難所においてはエコノミークラス症候群を疑う事案がいくつか発生しているとの情報を受け、再度城西小学校を訪問し、弾性ストッキングを担当者へ預けた。

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(城西小学校避難所)

 

 

 

 

【2日目支援活動】

午前10時より城西小学校避難所(昼60名、夜50名避難)へ向かった。昨日同様に体育館内で避難されている避難者へ声かけを行い、血圧測定や腰痛を訴えた高齢者へ看護師よりマッサージを行った。本避難所では中学生がボランティア活動を行っており、かつキーパーソンも高校生であった。5月9日より学校が始まる予定であり、体育館内の避難者も徐々に減っており、本避難所での活動を終え、熊本かがやきの森支援学校体育館避難所(昼51名、夜60名避難)へ移動した。市役所職員へ傷病者の確認をしたところ、右肩骨折の高齢者が1名おり、声かけを行った。多くの避難者は余震が心配で自宅へ帰ることが不安である方が多く、本避難所での活動を終え、千原台高等学校体育館避難所(朝50人、夜60人避難)へ移動し、市役所職員へ確認したところ、インフルエンザB罹患者が2名おり発症3日目であった。医師より病状確認行ったが、回復傾向にあり、罹患者も軽快方向とのことだった。

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(車中生活者へ問診)

 

 

 

 

【3日目支援活動】

午前9時よりアクアドームくまもと避難所(昼190名、夜320名)へ向かった。昨日までの巡回診療とは異なり、救護室への受診者対応が主な業務であった。DPAD対象者もいたが、元々介入されており、診察中にDPADが来室され、依頼した。救護室での診療を終え、13時より次のチームである鹿児島市医師会病院へ引き継ぎを行い、JMAT隊としての活動を終了した。

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(避難所巡回訪問)

 

 

 

(活動を通しての感想)

今回の熊本地震では、4月14日夜の前震(M6.5)により被災し、復興に向けてこれからどのように困難を克服していくか、気を張って頑張っていたところに、16日未明に本震(M7.3)に襲われ、更に深刻な地震被害を受けた方々が数多くいた。避難者の多くは余震が心配で学校体育館へ避難している方や家屋内の片付けに目処が経たない為避難されているとのことで、今後は家屋内の片付け、清掃等を目的としたボランティア活動の必要性や一般的な医療支援活動に加えて、被災者への精神的ケアを継続して行っていくことが重要であると感じた。

 

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(DPAT医師と患者相談)

 

 

 

 

 

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